それは、たった一度の、公式に認められたルール違反...
そんな言葉がまさに当てはまるような作品でした。あまりにイースらしくて、同時にあまりにイースらしくない。「Origin」という、本編の導入になる立ち位置を最大限に活かしているな、と感じました。
2/27の日記で一回簡単な紹介をしましたけれども、タイムアタックを楽しんだりと本編クリア後もいろいろプレイを進めていたと言うことで、もう一度感想をまとめてみようと思います。
ネタバレが苦手な方は、このエントリをスキップしてください(汗)。
イース王国、レア様・フィーナ様の二人の女神、六神官。今回の主人公がトバの娘とファクトの魔法使いというあたり、もう世界観としてはイースそのもの。700年後のアドルが出現しないというのが、イースらしさとしては些細な問題に見えてしまいます。イースの看板を背負いながらイース王国との関連が薄い、Ys6 ナピシュテム・Ys3 フェルガナよりも遙かにイースらしい。英雄伝説のガガーブ三部作のように、どれか1つが欠けても物語が楽しめないような、そんな感じで。いや、既に完成されている I, II の関連ストーリーって、蛇足になってしまう事をかなり危惧していたのですが、全然そんな事はない。過去を知る事ができてよかったです。
スキル技・魔法が「風・雷・炎」の3種類というのも、Ys6 ナピシュテム・Ys3 フェルガナを踏襲。アクションに立体感が付いたとか、バーストが増えた事によって戦闘の雰囲気が変わることはなく、純粋に強化された感じです。
ボス戦が、YsI, IIをプレイしている人なら思わずうなってしまうような展開にも○。個々のボスの特徴をふまえつつ、より活発に動き回っています。ボス戦に限らず、鉤爪の男のラストの展開には思わず鳥肌が。それが正史の真相ですかか、いやもう。
と、ここまではイースの伝統を受け継いでいること。同時にイースらしくなさも各所にあるわけですが、その中でも一点、おそらくはイースの本質であろう箇所までが変わっていることが気になりました。
それは、たった一人の完璧超人によって解決される物語ではない、事。
イースは、わたしが知る限り 1,2,3,6 とも、アドルがたった一人ですべての事件を解決するという構図になっています。作品毎に1~2名いる各ヒロインは、手助けをしたりアドルを支えたりというよりも、勝手に行動して勝手にさらわれる困った存在という(ぉ)。たまにアドルが窮地に陥ることもありますが、ドギを含め、たまたま近くにいた問題解決可能な人が、都合良く解決するという展開で。アドルがすべてを何とかする限り、仲間の行動はゲームを進める上ではわりとどうでもいいものになっています。アドルと一部ボスだけが、どういう意志で行動しているかという時間軸を持っていて、あとのキャラクターはピンポイントで参戦するだけ、というイメージ。そうなると、アドルが唯一のプレイヤーの目線になります。アドルが台詞を持たないのも、第三者として眺めるわけではない作品からは、とても自然なところ。
そもそも、アドルは異世界から現れて、事件を解決したらさっさと立ち去っていくわけで、その世界にどれだけ思い入れがあるのかがよく分かりません(ぉ)。どこまでいっても孤高の戦士。
それに対し、Originは根本的に違う。まずシナリオが、ユニカ編・ユーゴ編・鉤爪の男編と3つあること。この中で誰一人として、たった一人で事件を解決できるアドル的な存在はいない。それどころか2人集まっても力が不足していて、今回の敵を打ち破るためには女神捜索隊、女神、そしてイース浮上の際に地上に残った勇者、これらすべての人たちの力が必要になる。ユニカ・ユーゴ・鉤爪の男は、たまたまプレイヤーがその目線に立てる3人、というだけ。他の捜索隊の面々も、過去のイースではなかったほど引き立っていました(尤も、3人に比べると相当地味ですが^^; )。
一人の物語でない分、一人称視点のはずのキャラもしゃべるしゃべる。そして女神様まで、神々しさが失われてしまうのではと言う勢いでたくさん話す^^; 特にレア様の件には衝撃を受けました。あんなに不遇だったはずなのに、いつの間に^^; まぁ、それらの小さな会話情報の積み重ねで、3周クリアしてはじめてプレイヤーが全体像を把握できる、という仕組み。
そして全員、自分たちが生まれ育ったイースの世界・イースの女神を守ろうとする点が共通しています。物語が始まる後も、終わった後も、その世界に留まり続ける。
これは、イース的なシナリオ進行ではなくて、英雄伝説的な描き方だと思います。英雄伝説では、たった一人で事件を解決できないことが前提になっていて、非力な主人公が世界中を旅して仲間を揃えながら、最後には強大な敵に打ち勝つシナリオ。主人公よりも明らかに強い英雄である、カシウスや(本気の)ミッシェルはトランプのジョーカー役に徹している所からも一貫しているような。まぁ、今作で鉤爪の男以上の英雄がいるとすれば... 表に出てこない六神官クラスになりそうで、ちょっと違う面もあります。でも、鉤爪の男を操作している間に、ユーゴによるこんなストーリーが繰り広げられているなどと考えを巡らせられるのは、今までにない作りだったかと思います。
この一点が、イースとしてはおそらくは完全なルール違反。イースの操作感と、英雄伝説的なシナリオ展開を織り交ぜる方法は、外伝である Origin でしかできなかったことだと思います。そして、個人的な感想としては、イース本編に比べてもあまりにぴったりとあてはまりすぎている^^; 今回だけでこの作風を止めてしまうとすると、あまりに勿体ないと思ってしまいます。
...と、ちょっと英雄伝説と比較してみたわけですが、英雄伝説の攻略本・ファンブックの方がイースに比べて内容が充実しているように思えました。もしかすると、既にファルコムの看板作品はイースではなくなっていると言うことでしょうか(汗汗)。MSX版イース・ドラスレ英雄伝説プレイヤーとしてはちょっとばかり寂しい物が。
他に小さなイースらしくなさとすると、誰もメイン武器が剣ではない、といった所でしょうか。アドルが斧を振り回したり杖を持ったり鉤爪でひっかいたりするシーンはわりと考えられない^^; もので、別キャラクターだから許される今回のシステムを堪能できました。
ちなみに。Originプレイ後にイースの本の行方を知ろうと YsI, IIを久々に起動してみたところ、うちの Vista マシンと相性が悪いことが分かってしまってちょっと残念。ま、どうせ古代文字で読めない云々のメッセージだったような気もしますけれども(汗)。
今作のアクション性について、プレイ記として紹介。うちはシナリオ考察よりもアクションなどのゲームバランスがどうかを紹介する方が向いているような...(汗)。
イースのウリの一つに、絶妙なアクション難度バランスがあります。まぁ、私にとっては normal ですら難しいと感じてしまって(駄)、本編クリア時には LV51~52というこれでもかという高レベルになってしまいました(汗)。
高レベルになればなるほどボスの行動パターンを考えなくても無理矢理勝ててしまうわけで、そうなると本来意図されているゲームバランス、楽しさに気付いていないかもしれない。クリア後の追加モードであるタイムアタックは、わりと標準レベル・標準装備で挑むことを想定しています。これを、せめてeasyくらいは突破できるようになっておこうかな、と思って、試してみました。仮にもnormalで抜けているのに、まさか詰まることはないだろうと...
...えーと。なんですか、この百足さんの強さは(汗)。easyなのに勝率3割程度の運ゲーが繰り広げられました(汗)。
まぁそれでも、40分~1時間の間で、3キャラとも無事クリア。そこで調子に乗って、normal にも挑戦してみる。
...無理。特にユニカがどうしようもなく無理。百足で8戦くらいやり直しただけでなく、ラフレシアも強い。ラスボスにたどり着くまでに1時間強。そしてそこまでしてのたどり着いたラスボス戦、これまた勝てない。1時間ほどラスボスと戯れてもダメで、投げ出してしまいました(駄)。ユーゴと鉤爪の男はなんとか2時間以内で突破。それでも相当やり直している(汗汗)。なにか根本的に戦い方を勘違いしているのかも。
そこで、攻略本 [イース・オリジン公式パーフェクトガイド (amazon)] を入手し、読んでみることにしました。
え、ええと、ユニカのカイザーフェニックスって強かったのですか?(汗) 今まで風ばかり使っていました。ラスボスの戦い、この行動は自殺行為だったのか、なるほど。うーん、プレイしながら思っていたボス攻略法が、かなりとんちんかんな方向に走っていたようで^^; 確かにこれならあっさりと勝てる。いやはや。
そうしての現在のタイムがこんな感じです。
キャラ | easy | normal |
---|---|---|
ユニカ | 21:16:966 | 48:50:683 |
ユーゴ | 20:16:050 | 59:45:716 |
鉤爪の男 | 22:59:350 | 93:40:033 |
アクションゲームが得意な方なら、easyで20分を切ることもできるかも。
ボスの行動特徴をふまえて、最適な行動を行う。クリア後で、かつ攻略本を装備すると自力で攻略法を発見する楽しみを投げてしまったものの^^; 作者の想定した楽しみ方にようやく近づけたかな、という感じがしました。
...Hardは無かったことで。Nightmareはもっと無かったことで。
その攻略本に、Ys Origin v1.10パッチの情報が載っていました。まだ出ていないパッチの先行情報公開だから、たいしたことは載っていないと思いきや... ナイトメア・アリーナモードの追加だけでなく、それを突破するなどで解禁になるすべての隠し要素条件が掲載されていました。これ以上ないネタバレ^^;
アリーナモード限定でアドル参戦だそうです。ここまでは以前Wikipediaで情報を見た当たりから、きっと既定路線かなという感じがしました。けれども... えっと、そこまで追加要素の多いパッチになりますか? ファルコムに何があったんだ、いったい^^;
たまに無茶な条件もあって、たとえば全員全難度クリアしてくださいというのは、過去のイースの中で最もプレイヤーに公開する気がないような(ぉ)。いや、いくらなんでもそんな先行公開情報通りにはならないと思いたかったり...
とにもかくにも、パッチリリースが待ち遠しいです。12月作品のイース・オリジンを2月に始めたのは、ちょっと時期を逃した感もありましたが、まだまだ大丈夫っぽいです^^;
1周するのに慣れても6時間くらいするのに、世界を知るためには3周必要。いくらキャラ性能が違うとはいっても、同じダンジョンを3回巡り、ボスを3回倒すのはちょっと^^; 一つ一つのダンジョンはテンポ良く進めるのですが、3周するのも平気かというと決してそうではないような。ユニカ編とユーゴ編を序章的な扱いとして、もう少し短くしても良かったのではと思いました。やりこみで長いのはともかく、本編が冗長に感じるのは... 伏線が解かれるとそのシナリオに意味があったことが分かっても、そこまでが長くて投げ出されてしまう可能性も(汗)。
もし、1周目クリアあたりで止めている方がいれば、2周目はeasyでもいいから3周目に進むことをお勧めします^^;
イースをプレイしながら英雄伝説の事を思い出してみて、そういえば空の軌跡SCの剣帝強化パッチを当ててから戦ったことがなかったな... と。そこで、ダウンロードして試してみました。
剣帝レオンハルト。空の軌跡FCではシルバーソーン連打などの猛威をふるい、唯一の勝てなくても先に進める戦闘になっていました。というより、勝つのはやりこみの部類に入る(汗)。それがSCの終盤になって戦えるようになると、まぁ確かに他のボスに比べるとほんの少し強いものの、ほんの少し強いだけのぱっとしないボスに大幅に扱いが下がっていました。それにより、拍子抜けだとか、こんな弱いのは剣帝ではないだとか、FCで強く見えたのは相手が対策のない女性三人だったからで、これが剣帝の真の実力だとか、そうではなくて場面が場面だから今回も力を抜いているとか、いろいろな話題が飛び交っていました。
その多数の意見に答える形での、ファルコムからの公式回答が、剣帝強化パッチ。ボスが強すぎたから万人向けに下げるというバランス調整ではなくて、ただでさえそれなりの強さのボスを余計に強くする^^; そんな、かなり特殊な位置づけのパッチです。FC同様に負けても良い戦闘になったからと、かなり無茶をするようになっていたそうです。
とりあえず、普通にブレイザーランクを上げながら進んでいたセーブデータを取り出して、戦ってみました。確か本編クリア時に全滅したのは、某ワーム戦くらい(汗)。剣帝が多少強化されたではびくともしないと思って、ヨシュア・エステル LV78、アガット・ティータ LV72、たぶん最強装備、くらいで。
開幕1ターン目。全体攻撃鬼炎斬で8000ダメージ、HP5装備のティータが1ターンキルされる。他のキャラもぼろぼろで、立て直しができるはずもなく、あっさり敗北。
...いやはや、これこそ剣帝だ、素晴らしい^^; イースのようなアクションゲームで敵が強いのは投げ出したくなりますが、RPGだと頑張って倒したくなったり(我が儘)。
これはティータを使っている限りは勝ち目がないと、さっさと投げだしました(汗)。代わりに取り出したのが、あまりに戦闘が楽になりすぎるからとLV75くらいで封印していたクローゼ。レベルを上げつつ、セピスが尽きていてスロットが解放できないのをティータのカノン砲で回収しで、2時間ほど雑魚と戯れました。SCでレベル上げなんてたぶん初めて(ぉ)。
そして結果。ヨシュア・エステル LV80、アガット LV76、クローゼ LV77 で、
と、無事倒すことができました。とどめはクローゼの144ダメージ。HP31980なのに、地味な^;
いやまぁ、全体HP完全回復なリヒトクライスが詐欺の一言に尽きるわけでして(汗)、「全員常時HP9000以上を回復アイテムを使って維持」「SPを消耗させてSクラフトの頻度を下げる」「Sクラフトを喰らうと即リヒトクライス → ゼラムパウダーでSP100以上まで回復」の3点さえ守れば、喩え剣帝が3体に分身したとしてもなんとか。
...あ、これもアイテムに頼ったごり押しなのかも(汗)。アイテム封印で剣帝に勝つ方法はさっぱりと思いつきません。全体8000ダメージ+状態異常をどうすればいいのか。剣帝戦以外ではラスボスであっても猛威をふるうアースウォール戦略は、剣帝に関してはその素早さとオプションの多さから無力でして。うーむ。
さて、このデータで引き続きラスボスと戦ってみたところ、HPが高いだけの雑魚でした(ぉ)。全体攻撃で最大でも4000程度しか食らわないなら、アイテム封印でもあっさり乗り切れる。かくして、敵サイドの最強キャラクターの冠は、無事剣帝の元へと戻ったのでありました。私の感じるところでは、きっとたぶん。
ToK本FE、はちくま公式でまだアナウンスがありません。というのは、とある更新とあわせようとしているのですけれども、その中の一つ、依頼されている作業を進めていなくて... きっと、そのうち公開になると思います(汗)。
他に、シャンテリーゼをクリアしましたとか、Feline Groove IIIが届きましたとか、日記のネタがいろいろと。けれども Vista 移行が終わっていない → 書くのが遅い → めんどくさい なために、日記更新が滞っています(汗)。