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hossy online - といぼっくす

ゲームの感想日記、たまにIT・プログラミングの話


02/16

_ [ブクログ] そして誰もいなくなった

ここ9ヶ月ほど本を読んでも全く更新していなかった、ブクログ内の [ほっしーの本棚]。右側にブログパーツを貼り付けて、たまには更新しないとと追い込んでみます(汗)。

そこの中で最近の一冊、アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」について。クローズドサークルの金字塔だそうです。

どうしてブクログでなくてこちらに感想を書くかというと、

  • 東方紅魔郷EXの元ネタの一つ(魔理沙とフランの会話、秘弾「そして誰もいなくなるか?」、U.N.オーエンは彼女なのか)
  • うみねこのなく頃にに強く影響を与えた作品の一つ(島に閉じ込められる、碑文、ボトルメール、5章と7章にそのままタイトルあり)

同人ゲームな人としてはこの2つの作品に引きずられて、「そして誰もいなくなった」だけ切り離して感想を書くのが難しいというわけです。

紹介

U.N.オーエンによって、兵隊島(旧訳ではインディアン島)に10人の男女が集められます。その中で繰り広げられる、童謡に沿った殺人劇。1人、1人と減っていき、最後にはタイトルの通り「そして誰もいなくなった」。

犯人が出したボトルメールが最後18ページにあり、ここで全ての真相が開かされます。

軽いネタバレを前提に進めます。真犯人はこの集められた10人の中にいるかどうか=います(反転)、というのを知りたくない方はここまでで止めて頂けますと。

感想 1周目

さすがの名作古典だと思いました。一見ばらばらな人が集められたようでも真犯人の動機はしっかりしていますし、1人殺される度に誰が誰を信用して誰を疑ってという所が変化していく所が見事です。

しかし、よく分からない所が2つありました。1つは、ボトルメールの告白があまりにもできすぎている事。確かに個々のシーンで最も確率が高いとしても、これ全部コンボが繋がる率は相当低く、犯人が最後の3人以外では臨機応変な調整を考えていないように見えるのが不自然かも、と。最後に別の展開の余地があったという事で十分なのかも。

それ以上に不思議だった所が、心理描写。1章などで生存者の心理描写が行われているのですが、ここからは全員が真犯人に怯えているように感じられました。発言は犯行がうまくいくように誘導しているとしても、思っている事まで嘘というのは?

感想 2周目

[WikipediaJ:そして誰もいなくなった] と、そこからリンクされている若島正による解説を読んだ後に、2周目に進みました。

こちらの解説によると、心理描写も何一つ嘘をついていないという事。初見の印象からはそんなはずではと思って読み直し… た、確かにこれ叙述トリック、違う事を指しているのにその周辺に引きずられて読み手が勘違いしていただけでした(汗)。しっかり事件を起こしやすい方向に誘導しているのも分かります。なんて良くできている作品なのだろうと。

ちなみに新訳では「娘をじっと見張るのだ。」になっていました。

別件: メモを取る

作品の感想はここまでで、別の事を。

小説を読むとき、このようにメモをする方はどれくらいいますでしょう。今回はまず名前と職業をメモして、大事なイベントをメモしながら読みました。英語の人名には慣れなくてなかなか一致が… 。そうして、1周目で3時間強。

メモに使ったアプリケーションはEvernoteでした。でも、あまり書きやすくないです。FreeMindも考えたのですが、このアップロードだけのためにEvernoteを有料契約にするのも… こちらだけDropboxで管理するとか、使い分けるのが良いのかもしれません。

ライトノベルの場合は、メモ無しで1時間くらいで勢いで読みきる事が多いです。だから読む本が偏るのか(汗)。

最後に

「そして誰もいなくなった」に興味を持った、紅魔郷EXを進めていた頃から8年近く。もっと早く読めば良かったです。まあでも、うみねこをミステリー入門として楽しんだ後で読めたのは、結果オーライなのかもしれません。

(うみねこは8話までだと、それ自身が良いミステリーかというと多分否(-・; で、しかしミステリーのきっかけがなかった人への入門書になって、私のように他の作品を読んでみたいと思うこともあるでしょう。これはうみねこエントリではないですから、このあたりで)

傑作です。興味があれば是非と思います。