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_ [同人ゲーム] 蟲ノ目 全4章読み終え
[ヨツツジエコー] の蟲ノ目を読み終えました。合計すると全4章で15時間ほど。章によって長さの差があります。最後まで読み終えた感想は、[2012/12/20の日記]で書いたとおりでした。
サイトの説明の通り、全力で厨二病。第一章の印象ではFateの戦闘システムとひぐらしのルール設定をあわせて、淡い百合成分を足したみたいな。
この作品でネタバレを抑えてどこまで魅力を伝えられるか全く自信がありません。ある程度挑戦してみます。
第一章 起: 蟲毒のルールを表面的に知る話
第一章は二條久保が何も知らない状態からスタートして、三荊とイチャイチャしたり情報を頭がパンクしない範囲で教えてもらいながら、九人の蟲遣いの戦いを生き残ろうとする話。
二條久保の能力は蜻蛉 の逃避(マルチモニター)で、一章時点では全く戦闘の役に立ちません。別の戦闘や会話を観測する、プレイヤーに近い立場の傍観者。
代わりに自称・他称ともに最強の蟲、三荊の鍬形の進化(エゴイスト)が大活躍。能力の使い方が、なんというか一章時点で「チート攻撃にそれ以上のチートで対応している」という位の熱さになっています。一見勝敗がついたようなシーンでもいつの間にかひっくり返ってしまって、目が離せません。
能力的には抽象的な能力ほど汎用性が高く使える感じ。対して具体的な能力、例えばなんでも斬れる五百雀 蟷螂 は影が薄くなっています。
第二章 承: 蟲毒のルールを知った上で挑む話
一章ラスト直前まで地味な主人公の能力が、強くてニューゲーム状態だとけっこう重宝。他の仲間も死にスキルっぽく思っていたものが意外と活躍したりと、決して能力は単純な強弱で分類できるものではなくて相性があるということ、そしてパーティー戦でうまく長所を組み合わせたり危険なことが起こったりと色々わかってきます。そんな風に見え方が変わってきても、さんちゃ(三荊)の最強の座は揺るぎません。さすが。
……そのさんちゃを持ってしてもこのエンディング。虹色の向こう側にたどり着くにはどうすれば、と。
三と二のイチャイチャっぷりはやっぱり止まりません。他にも協会の六と四が別の意味で信頼しあっていたり、今回から姿を現す八木沢も誰かと仲が良かったりと。一章で一つの目から見ると悪役に見えていた相手も実は、というのが分かってきます。
二章から章の副題にもなっている通り、メタ要素について語られることが増えてきます。
第三章 転: 六十年前の蟲毒
Fate/Zero? とも思うような過去編。二連続で蟲毒に参加している人は ……年齢について触れてはいけません、きっと(-・;
ネタバレが強くなってここから書きにくいです。言えることは、主人公チームがうまく戦えるようになるほど、相手のどうしようもなさが余計に分かってしまうと……。勝てる可能性のある敵なら繰り返して低い確率を掴み取ればなんとかなるかもしれなくて、でもどうやっても勝てるようにできていない敵ですと。
第四章 結: 最後の戦い
ひぐらし解の祭囃し編のように短編エピソードを追っていきながら、三章の絶望的なラストからなんとか巻き返して最後の戦いに挑む回。
二條久保がこの章の鍵に。さすがマルチモニターという「蟲ノ目」の作品名にぴったりな能力持ち。他も二ほどではないですが全員見せ場があります。もう五や九が地味なんて言わせない。
それ以上は、綺麗に決着しますから是非読んでください、としか。
最後に
読むところ以外については最低限のシステムという感じ。アプリケーションアイコンが [LiveMaker] そのままで、CGモードはありません。4章でセーブ30個というのは少し少ないかも。でもメッセージスキップは早く、作中に選択肢がないことからさくさく見直したいシーンまで飛ばせます。
その分文章量が十分すぎます。作者のつぶやきによると原稿用紙2800枚分とか。第一章がC81で、第四章が1年後のC83、この間に絵も含めて一人で進めているって、いったい。
ネタバレコミュニティーでの話が盛り上がっています。主な話はここで一段落でも、資料集など他の企画が進んでいるらしく? 今後も楽しみです。
と、ある程度ネタバレ封印でここまで書いてみましたが、これでは全然語った気分になれません(-・; また、いつか、たぶん。