10/25
_ [商用ゲーム] あの、素晴らしい をもう一度/再装版
[
元は1999年にX68000向けに出された短編ノベルゲーム。ずっと気になりながらなかなか手を出すことなく、丁度PCが壊れているのをきっかけに、1年前に出たiOS版を進めていました。これだけ長く積んだものの消化は初めてかも。
この作品を進めるなら事前ネタバレ情報無しが良いと思うのですが、リリースから経っているということで、中盤くらいまでのネタバレを交えて紹介します。純粋に楽しみたいという方はそのまま公式サイトの体験版ダウンロードや、 [電撃オンライン] 2010年のPC版紹介記事 [ノベルゲーム『あの、素晴らしい をもう一度』再装版では何が変わる?] などをどうぞ。
構造について (ネタバレ有り)
主人公はリトと共に、3日間という短い制限時間で旅を進めます。途中で1回コースの分岐がありますが、その両方を通ると間に合いません。そんな時にどうするか。
そこで役立つのが ANOS システム。これまでの記憶を記録し、次回以降のプレイに活かすことができます。たとえば片方のルートで情報を得て、それをもう一方で使い新たな情報を得る、というように。これを繰り返す事で、少しずつゴールへと近づいていきます。
とは言え、ANOSも万能ではありません。1つは、情報しか残せないこと。アイテムの引き継ぎは出来ません。
そしてもう1つ、引き出せるように選択できる情報は1つだけということ。謎を解くための鍵を知っていても、それを装備していないと選択肢すら出てこない、ということも。「………」のような間があるとANOSを使う可能性が。新着のところでは気付きやすいです。逆に新しい情報を覚えても、メッセージスキップで「………」を見逃し、次の展開を見つけるのに1時間以上はまってしまったことも。メッセージスキップ危険、ほんと危険。
関連しそうな記憶がたくさんあっても、最適のものをセットしないといけない、またあと一押しの欠けている情報が他のルートで手に入るかもしれない、同じシーンで同じ記憶をセットしていても他のきっかけが必要なものもあるというあたり、ゲームの難易度が高い感じがしました。詰まった方は、ぼかしてヒントを書いているところを参考にしても良いかも。合計10時間ほどかかりました。
(最後のがどのシーンに対応するかというのは、たぶん気付かなければこのゲーム最難関ですから、分かる方には分かるかと……)
iOS版について
PCにくらべると画面の小さいiPhoneでも、快適に読み進められました。
文章が読みやすい、スワイプで記憶管理がすぐ呼び出せる、既読のみメッセージスキップ、履歴からシーンを好きな場所に巻き戻して選択肢・記憶セットを変えての試行錯誤がしやすい、と。
CG・音楽モードがあるとより良いかもとは思いました。一度きりのシーンを見直したり、最終エンドまであとどれくらいかが分かるように。まあでも短編ですから、その気になれば一からやり直せば良いでしょうか。
感想
これネタバレ無しには無理です。何度も繰り返しているうちに、プレイヤーからもリトに対する思い入れが出てきて、最終エンドになると色々と思う所がありました、という程度にしか。
一般向け・選択肢以外がトリガーになるノベルというと私は Steins;Gate が思い浮かびます。切り口は違いますけれど、16年前にあのすばが行っていたというのは凄いと思いました。